くまの園には、昨年末に綿畑から収穫した綿がたくさんあります。
そこで、神奈川から真弓さんが綿糸つむぎなどのサポートに来訪くださいました。
真弓さんが来訪と聞いて、急きょ、広島からオラ、マヨ、そして岡山からサトミもかけつけ、
くまさんと一緒に勉強させていたくことになりました。
真弓さんは羊毛に関しては染めから紡ぎ、織りまで長年続けてやってきておられますが、
綿に関しては、2ヶ月前から取り組まれたばかりなので、教えるというところでは・・・
とおっしゃっていましたが、羊毛で築いてこられたノウハウは綿にも深く通じており、
また私にとっては初めての体験で、どの過程も、さすが~~と関心することばかりでした。
綿の手仕事に使う道具が、知恵の結集のように、とても良くできていて、
昔の日本人の知恵もすごいとおもいました。
昨日教えていただいて、やってみた手順です。
1、綿繰り機で種と綿をわけます
2、綿弓を使って綿打ちし、ゴミをとってフワフワの綿にします。
3、くるくる丸めてロールにします。
4、スピンドル(綿を紡ぐ軸)に糸をつけて、紡ぎ開始です。
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これは真弓さんが寄付してくださった、海外(インド?)のもの |
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くまさん購入の紡ぎ機は組み立てから開始 |
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真弓さんご主人作のスピンドルを使っての手巻き |
初めてトライする私たちは、糸が切れたり、かなり太くなったり悪銭苦闘です。
羊毛に比べて、綿は繊維が短いので切れやすいそうで、真弓さん自身も
綿紡ぎをすると聞いた日から始めて、今日まで毎日やって2ヶ月かかっており、
綿に慣れないので最初はよく切れていたとのこと。
切れてはつなぎ、切れてはつなぎの連続で、なれない身には嫌になるくらいの、根気仕事です。
「私たちはまだまだ1時間、慣れるまでに2ヶ月~!2ヶ月~!」
などどとつぶやきながらも、とてもたのしい時間を過ごさせていただきました。
綿に向き合って、静かに回していく作業は、まるで瞑想しているようでもありました。
糸を紡ぐまでにもひと手間もふた手間もありました。
本当にどの過程も、気の遠くなる仕事でした。
そして、ここに至るまでも大変な時間と労力を費やしています。
昨年から思い返すと・・・
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開墾後のあぜ作り |
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種まき |
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嬉しかった発芽 |
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毎日の水遣りは一輪車で水運びから! |
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主人が帰省中は機械を使っての水遣りサポート |
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待望の綿の花が咲きました! |
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収穫後、乾燥 |
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綿の実を皮からとりのぞきます。 |
くまさんが昨年福山に越してきて、春には、休耕畑を開墾し、
綿を植え、坂道を汗だくで一輪車で毎日水をやり、
収穫、天日干しと、本当に大切にして、コツコツとコツコツと心をこめて作った綿です。
私自身は、くまさんの後姿をみてきたに過ぎなく
時々訪問の来客に少し手伝っていただいたようですが、
ほとんと全てくまさんが一人でこの工程をこなしてきました。
暑い夏に、一人で一輪車を押して坂を登るくまさんの後姿を見たときは、
思わず手をあわせたくなるほどでした。
人の一生懸命な姿は本当に美しいと思いました。
現在の寝具は羊毛や羽毛が主流になっていますが、
子供のころは真綿布団で寝ており、布団の大量の綿を思うと
それだけの綿を作るまでがどんなに大変な仕事か・・・
ほんの少しかかわってみて、初めてその知らないところでの大変さを知りました。
布団の綿を打ち直し、ふとんを縫い直し、綿をいれ直していた母の姿を思い出し、
ほんのひと昔、こういった日本の生活は、物を大切にし、
日本ではこういった風景はあたりまえのことだのかもしれません。
わたくりなどは田舎での夜なべ仕事で子供のときに手伝っていたと、
叔母からきいたことがあります。
一人でやると根を詰めて大変なしごとですが、
仲間たちとやっていると、おしゃべりにも華が咲き、
あっという間に時間が過ぎました。
おいしい福山のお米のおにぎりで、食事をし、
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暖かかったので昼食は縁側で! |
つむいでいると、同じ姿勢のままで、あっという間に時間が過ぎます。
時には身体を動かしながらやりましょう。
明るいうちに見に行こうと、今は何も植えてはいない綿畑まで、散歩しました。
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一番奥のわた畑まで散歩! 帰り道、後ろには虹が!! |
今回の真弓さんの来訪で、綿仕事に夢が広がりました。
夏には染めの講習、12月にはワークショップに来てくださると言う計画もあがりました。
今年の試みとして、くまさんと企画したのは、もう1ヶ所ある休耕畑の開墾から
今度はみなさんに関わってやっていったらどうか。
定期的にワークショップをしないか。
月に1回か2回は、手仕事の日をつくり、
綿しごとや、縫い物なんでも参加していただこう。
蛍の時期に、宿泊して何かイベントを。
夢や妄想は果てしなく出てきます。
今年6月の田植え時期から3回連続して、セアロ師をお招きしてのリトリートも決定しました。
協働体験学習リトリート
このように、みなさんが持っておられる知恵をこの福山くまの園は
みんなに広げていける場所にしたいと思います。
福山くまの園
みなさまが関われるように、すこづつ準備していきます。
どうぞ、いつでもお越しください!!